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2020年03月08日

言志耋録339条 旅立つ時の誠意

誠意は是れ終身の工夫なり。一息尚お存すれば一息の意有り。臨歿(りんぼつ)にはただ澹然(たんぜん)として累無きを要す。即ち是れ臨歿の誠意なり。

【筆者意訳】心を誠にすることは、人間一生涯をかけての努力である。一息でもある間はそこに一息の心があるのだから、その努力をしなければならない。臨終に際しては、ただ淡々として心に煩いの無いことが肝要で、それが臨終の誠意というものだ。

【ひとこと】『言志耋録』も最後の2章になりました。一斎80歳の時の言葉ですが、ここからの2章は、臨終に際しての心構えが述べられています。

死ぬときは、心安らかに、憂いの無いように旅立つのが肝要だ、そのためには「誠」の生き方を最後まで尽くすことだ、と一斎は語っています。

一昨日のコラムで、「誠」とは、自分自身に対しても、他人に対しても嘘偽りのない心のことと触れました(言志耋録334条参照)。これは言い換えれば、一日一日、一瞬一瞬を、自分の真心に従って精一杯に生きるということだと思います。その積み重ねが人生を豊かにし、例えやり残したことがあって死を迎えることになっても、その時までは精一杯に生きてきたという充足感があるのではないかと思います。それは自分の人生に対する納得ということになるのかもしれません。
「死に方とは即ち生き方である」とつくづく思います。まだまだ先のことだ(と思っていますが)、良い生き方をしたいと願うものです。


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