言志耋録315条 養生訓(その2)

知好楽

2020年03月03日 08:23

心身は一なり。心を養うは淡白に在り。身を養うも亦然り。心を養うは寡欲にあり。身を養うも亦然り。

【筆者意訳】心と身体は一体のものである。心を養うには淡泊、即ち物事に執着しないのが良い。身体を養うのも同様に淡泊、即ちあっさりとした食事が良い。また、心を養うには欲望を少なくするのが良い。身体を養うのも同様に過食を慎むのが良い。

【ひとこと】暴飲暴食は身体に良くない。こってりしたものを採りすぎるのも身体に良くない。素材を活かした薄味が良いようですね。元々日本人は農耕民族ですから、野菜や穀物主体の食事が身体に適しているのでしょうね。

心の養生については「小欲知足」、つまり欲望を少なくして、足りていることを知り満足する生き方がいいということですね。

身体の養生も、心の養生も、誰もが知っていることだと思います。しかし《言志耋録289条》で一斎がいみじくも、「人皆知って而も知らず(分かっていて実践しないのは、本当に解っているのではない)。」と語っているように、分かっていても中々できないのが、身体の欲、心の欲を抑えることです。逆に言えば、これがどれだけ徹底できるかが、人間としての成長度といえるのではないかと思います。

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